コーポレート・ガバナンス

P D C A
2024年の目標 2024年の主な実績 達成状況 2025年の目標
中期経営計画を踏まえた
資本政策の一層の強化
● 政策保有株式の売却計画の策定、推進
● 株主総還元性向116.1%
★★★

中期経営計画を踏まえた資本政策の一層の強化

コーポレート・ガバナンスの取組みの強化 ● 指名委員会、報酬委員会を指名報酬委員会に統合 ★★★ コーポレート・ガバナンス改善のための取組み強化

 非財務情報のさらなる開示

● グループレポートに非財務データハイライト(人財・環境・災害データ)および社員持株会加入率を新たに掲載 ★★★ 非財務情報のさらなる開示

内部統制報告制度改訂への確実な対応

● 内部統制評価範囲の見直し
● サイバー攻撃に対するリスクおよびコントロールのマトリクス作成(2025年運用開始)
● ビジネスメール詐欺を想定した内部統制案の作成(2025年運用開始)
★★★

内部統制報告制度改訂への確実な対応

グループ会社の自律的な 内部統制の推進

 ● 全社的内部統制チェックリストの改訂 ★★★

グループ会社の自律的な内部統制の推進

考え方・方針(ビジョン)

当社グループは「東亞合成グループ コーポレート・ガバナンス基本方針」を制定し、「素材と機能の可能性を追求し、化学の力で新しい幸せをあなたへ届けます。」との企業理念に基づき、企業の社会的責任を果たすべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題の一つと位置付けています。
当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を実現する実効的なコーポレート・ガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。

当社グループのコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、次のとおりです。

  1. 株主の権利を尊重し、その平等性を確保する。
  2. 株主、顧客、取引先、従業員、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーと良好な関係を築き、適切に協働する。
  3. 会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
  4. 取締役会による業務執行に対する監督機能の実効性確保に努める。
  5. 中長期的な株主の利益と合致する投資方針を有する株主との間で建設的な対話を行う。

コーポレートガバナンス体制

当社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役を含めた取締役会による経営の意思決定および業務執行の監督と、取締役・執行役員による業務執行の両者を分離するなど、意思決定の迅速化を図り経営監督機能を確保する体制としています。

取締役・取締役会

当社取締役会は、取締役12名(監査等委員である取締役4名を含む。)で構成されています。独立社外取締役6名が、主に取締役会の経営監督機能を強化する役割を担っています。当社の取締役会は、社外取締役を交えた闊達な議論を経て、会社の経営方針、経営戦略などの経営上重要な事項の意思決定を行い、取締役・執行役員の業務執行に対する監督の役割を果たしています。
取締役会の構成については、研究開発・技術生産・営業・会社経営・財務会計・法務・人事労務などの分野のほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)・グローバル・サステナビリティの分野にも着目し、豊富な経験・知識を有する取締役をバランス良く選任しています。また、女性の取締役を選任するなど多様性のある取締役会の構成に努めています。

監査等委員会

監査等委員会は、常勤監査等委員である取締役1名および社外取締役3名の計4名から構成され、取締役等役員の職務執行の適法性、会社業務の適正性、内部統制システムの構築・運用状況、財務状況についての監査を実施することで、当社の健全かつ持続的な成長に資する責務を負っています。
2024年度は監査等委員会を19回開催し、当社グループのコンプライアンスの状況や業務の適正性に関する内部監査を実施したほか、経営会議付議事項や業務・業績に影響を与える重要な事項について、取締役・従業員からの報告を受けました。

経営会議

経営会議は、経営意思決定の迅速化および事業推進の効率化を図ることを目的とし、業務執行取締役5名で構成され、原則として毎週開催されています。取締役会決議により委譲された決定事項につき、業務の執行に関する実務的な協議を行っています。

指名報酬委員会

当社取締役会は、経営の客観性と透明性を高めるため、取締役会の諮問機関として1名の独立社外取締役でない取締役と複数名の独立社外取締役を構成員とする指名報酬委員会を設けています。
指名報酬委員会は、取締役会からの諮問を受けて、代表取締役などの後継者計画、取締役候補者の選任手続き、資質、選任理由、代表取締役候補者の選任手続、資質、選任理由および独立社外取締役候補者の独立性基準などについて、個人の属性の多様性やスキルの観点を含めて検討し、答申を行います。
また、取締役会からの諮問を受けて、取締役の報酬体系および個別の報酬について検討し、答申を行います。取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別の報酬は、取締役会で定める算出基準に従い、指名報酬委員会の検討結果の答申を踏まえ、取締役会決議により、委任を受けた指名報酬委員会を構成する委員が決定します。

取締役の選任について

当社は取締役(監査等委員である取締役および監査等委員でない独立社外取締役を除く。)の選任基準を以下のように定め、取締役に求める資質を明確にしています。

1. 当社グループの中長期的な経営計画の実現に向け、当社グループの経営管理および事業運営に関し優れた見識・能力および豊富な経験を有する者、または、当社グループの事業活動に関する十分な理解をもち、当社の取締役などの業務執行の監督を的確、公正に遂行することができる経験と見識を有している者。

2. 公明正大で優れた人格、見識、職務遂行能力を有し、高い倫理観に基づいて経営管理および事業運営
ならびに業務執行に対する監督を公正かつ適切に遂行し得る者。

また、代表取締役が作成した取締役候補者案は指名報酬委員会による選任手続き・資質・選任理由などについての検討を受け、指名報酬委員会はその検討結果を取締役会に答申しています。

取締役の報酬について

当社の取締役の報酬には、固定報酬、業績連動報酬および株式報酬の3種類があり、株主総会の決議により定められた報酬限度の範囲で支給しています。
固定報酬は、役職ごとの職務、責任および成果などを勘案して決定し、支給しています。監査等委員である取締役には、それぞれの監査等委員の役割・職務の内容などを勘案し、固定報酬を支給しています。
業績連動報酬は、前事業年度の連結営業利益などの会社業績に加え、役職ごとの職責および経営環境などを踏まえて決定し、支給しています。監査等委員である取締役や独立社外取締役には、独立した立場から経営の監督機能を担う役割を重視し、業績連動報酬を支給していません。
株式報酬は、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、役職ごとの職務および責任に応じた数量の譲渡制限付株式報酬を割り当てるものです。業績連動報酬と同様に、監査等委員である取締役や独立社外取締役には支給していません。

◆ 役員報酬の内訳(2024年1月~2024年12月)
報酬等の種類別の総額(百万円)
役員区分

報酬等の総額

(百万円)

固定報酬 業績連動報酬 譲渡制限付
株式報酬
対象人数
(人)
取締役(監査等委員でない) 187   147 12  28 11 
うち社外取締役  28  28  -  -  4
取締役(監査等委員)  54  54  -  -  7
うち社外取締役  38 38   -  5
◆ 指名報酬委員会の活動状況
名称 回数 活動状況
指名委員会 3回 ● 後継者育成研修に関する審議。
● 規則改定に関する審議。
● 取締役会構成の見直しに関する審議。
報酬委員会 1回 ● 取締役・執行役員・フェローの報酬に関する審議および取締役会への答申。
● その他、報酬額の変更等に関する審議および取締役会への答申。
指名報酬委員会 4回 ● 候補者の経歴・スキルを踏まえた役員人事に関する審議および取締役会への答申。
● 代表取締役等の後継者計画の審議。
● 報酬額の変更等に関する審議および取締役会への答申。

※ 2024年7月31日の取締役会決議で指名委員会および報酬委員会を指名報酬委員会へ統合しています。

内部統制

当社はコーポレート・ガバナンスを強化するため、取締役会において内部統制システムの基本方針を決議しています。同方針に従い、内部統制室は、独立した立場から内部統制の運用状況を確認し、その結果を監査等委員に報告をするとともに、内部統制報告制度(J-SOX)に基づく内部統制業務(財務報告の適正性を確保するための業務)を行っています。
内部統制室は監査部(監査等委員の補助機関)および会計監査人と連携を取りつつ、当社グループ全体の業務が法令などにのっとり、適切に実施されることを確保しています。

取締役会の実効性評価

当社取締役会は、毎年、全取締役に対してアンケートを実施し、取締役会の実効性の分析・評価を行っています。アンケートの質問事項は取締役に振返りを促すものとなるよう設定し、アンケート結果の分析・評価には客観性を保つべく第三者を起用しています。第三者による評価を踏まえて取締役会では課題解決に向けた議論を行い、機能向上に努めています。

1 アンケートにおける質問項目など

以下の項目について3段階評価と自由記載

● 取締役会の構成・運営
● 取締役会の議題・議論の充実
● 業績に関する議論の充実
● 取締役会を支える体制
● 株主との建設的な対話
● 取締役会への貢献(自己評価)

ガバナンス向上に資する評価を行うべく、段階評価だけではなく、意見を自由記載してもらう回答を中心とする内容とし、方式は記名式としています。

2 評価結果

2025年1月に実施したアンケートの結果の概要は以下のとおりです。

● 総合的に判断し、当社取締役会はおおむね実効性が確保されている。
● 自由記載欄には厳しい意見も挙げられたが、新しい取組みを評価する意見もあり、前年のアンケート結果の課題に対する取組みが評価されている。

高い評価を得た項目
● 取締役会の将来体制についての議論
● 指名報酬委員会の議論のあり方と情報共有
● 監査等委員の情報入手機会と支援体制

今後の課題とされた項目
● 中長期的な視点に立った議論

3 課題と今後の取組み

課題とされた項目については、寄せられた意見を踏まえ、取締役会の実効性のさらなる向上に向けた施策に取り組んでまいります。

社外取締役のサポート体制

社外取締役に対しては、中長期的な経営の方向性について多面的に審議し、当社の経営戦略が適切に執行されているか監督するため、様々な環境整備を行っています。具体的には、定期的に各事業所を視察し、当社事業に対する理解を深める機会を設けています。また、経営会議で議論されている内容を毎月説明しているほか、研究開発・サステナビリティ方針などについての重要会議への出席を通じて、当社の経営課題に関する認識を共有し、適宜、建設的な意見交換を行っています。

株主・投資家との対話、情報開示

基本方針および体制

当社は、「東亞合成グループコーポレートガバナンス基本方針」において、「株主の権利を尊重し、その平等性を確保する」、「中長期的な株主の利益と合致する投資方針を有する株主との間で建設的な対話を行う」ことを規定しています。
情報開示にあたっては、金融商品取引法などが定める重要情報(インサイダー情報)の取扱いやフェアディスクロージャー・ルール、東京証券取引所規則などを遵守した対応を行っています。また、すべてのステークホルダーに、適時、適切かつ公平に情報を開示し、当社グループに対する的確な理解を得られるよう、言語による情報量の偏りを解消するため、リリース文や決算資料などの英文開示を積極的に進めています。

株主総会

株主の皆様への早期情報開示のため、発送日より前に招集通知を当社ウェブサイトおよび東京証券取引所で開示し、株主総会が充実した対話の場となるよう努めています。また、外国人株主様の増加を背景に、狭義の招集通知、参考書類および決議通知を英文化し、和文と同時に当社ウェブサイトおよび東京証券取引所で開示しています。
また、当社はより多くの株主様へ株主総会の模様をお伝えするために、総会当日のライブ配信および総会後のオンデマンド配信を行っています。

決算説明会と情報開示

当社は、法令などに基づく法定開示や東京証券取引所規則に基づく適時開示に加え、任意開示情報についても積極的に開示することとしています。
機関投資家や報道機関の皆様に向けて決算説明会(年2回)や個別の面談を実施し、決算説明会に参加できなかったステークホルダーに向けては、説明会の書き起こし資料を開示するとともに、第1四半期決算および第3四半期決算においても説明資料を当社ウェブサイトで開示しています。また、2025年4月から、日本文の開示と同時に英文開示(一部サマリーでの開示)を行い、国内外の投資家の方々へ向けた情報開示に努めています。

ステークホルダーとの対話

当社は、国内外のアナリストや機関投資家などと積極的に個別面談を行っており、2024年には合計110回の面談を実施しました。主な対応者はコーポレートコミュニケーション部長ですが、対話のテーマや議題を踏まえ、適宜他の役員や関係部門の従業員も同席しています。
対話のテーマは多岐にわたりますが、決算概要を中心に、当社中期経営計画、PBR改善に向けた取組み、IR活動などを主な議題として、積極的に対話を行っています。
面談の実施状況および株主・投資家からの意見は、統括するIR担当取締役が取りまとめ、四半期ごとに取締役会へ報告し、意見交換を行っています。

  2022年 63回
 個別面談の実施回数 2023年 98回
  2024年 110回

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