気候変動抑制の取組み
TCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示
東亞合成グループは気候変動対応として、徹底した省エネの実施や生産プロセスの最適化に加え、太陽光発電などのCO2排出の少ない電源の導入や再生エネルギー由来の低排出係数の電力への切り替えにより、大幅な温室効果ガス排出量の削減を図るとともに、脱炭素社会実現に貢献する製品の提供や、サプライヤーエンゲージメントを通じてバリューチェーン全体での脱炭素化を目指します。
戦略
財務インパクトの算定
主なリスクである炭素税課税による2050年時点の財務インパクトは約3,080百万円です。
算定根拠:2025年スコープ1+2 308千トン-CO2、炭素税を10,000円/トン-CO2と仮定
リスク・機会の特定(シナリオ分析)
気候変動が2050年までにグループ事業に及ぼす重要な影響を、エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照の上、脱炭素への取組みが進んだ「1.5℃シナリオ」および現状のまま社会が進んだ場合の「4℃シナリオ」を用いて分析を行いました。

GHG排出削減の対応策・移行計画
製造工程の省エネと生産性向上を徹底し、水素活用や低GHG燃料への転換、再生可能エネルギーの拡大、CO2分離・回収・利用を組み合わせ、最終的にカーボンニュートラルの達成を目指します。



カーボンニュートラル実現に向けた取組み
「2050年にカーボンニュートラル(実質ゼロ)」を目指し、温室効果ガス(GHG)の排出量削減を進めています。Scope1、2について、2030年に2013年比50%削減を目標に掲げ、2025年は2013年比で28.4%の削減となっています。
カーボンニュートラルの実現に向け、これまでに進めてきた製造工程の省エネルギーや燃料転換に加えて、太陽光発電や小水力発電などの再生可能エネルギー発電の自社保有拡大を進めています。また、一部で試行してきたインターナルカーボンプライシングを2026年より導入します。設備投資判断の参考指標とすることにより、GHG排出量削減の取組みを加速していきます。

エネルギー使用量低減によるCO2排出量の削減
生産活動でのCO2排出量(Scope1+2)の削減について、中長期目標を上記PDCA 表の2段階で設定し、各事業所でこれらの目標を達成すべく、省エネロードマップを策定し、設備、技術導入を着実に進めています。
CO2排出源を抜けなく把握し、GHG 排出量を正確に算定していきます。また、再生可能エネルギーの自社導入、地域社会との連携により、エネルギーの最適活用も推進しています。
2013年からの国内製造拠点のエネルギー使用量とCO2排出量の推移

※集計範囲:国内製造拠点
再生可能エネルギーの導入拡大
東亞合成グループは、自社工場の内外で再生可能エネルギーの導入を進めています。愛知県田原市では、「たはらソーラー・ウインド共同事業」として、地域の豊富な日照と良好な風況を活かした太陽光・風力のハイブリッド発電を行っています。発電した電力は、FIT制度を活用して販売しています。自社拠点では、太陽光発電設備で発電した電力を自家消費しています。名古屋物流センターの出力1MWの設備に続き、2025年には高岡工場でも出力1MWのメガソーラーによる発電を開始しました。名古屋工場と広野工場においても、太陽光発電設備の導入を進めています。
また、小水力発電の開発にも取り組んでいます。長野県で当社グループ初となる小水力発電所の開発を進めるとともに、複数の候補地点について調査・検討を行い、導入拡大を目指しています。
水素エネルギーの活用
カセイソーダの製造工程で発生する水素は、燃焼時にCO₂を排出しないエネルギーです。当社は、この水素を有効活用し、化石燃料の使用量削減を進めています。徳島工場に続き、横浜工場および名古屋工場にも水素ボイラーを導入し、化石燃料を使用しない蒸気の発生を実現しています。
また、「東亞合成水素ステーション徳島」では、徳島工場の食塩電解設備で発生する自社製造水素を販売しています。定置式水素ステーション1カ所と移動式水素ステーション2カ所を運営し、燃料電池自動車(FCV)や燃料電池バスへ水素を供給しています。
低炭素水素の活用
当社は、「愛知県知多市における低炭素水素モデルタウン実証事業」に参画しています。名古屋工場において、再生可能エネルギー由来の電力を使用して食塩水を電気分解し、低炭素水素を製造します。製造した水素を、公共施設や住宅における燃料電池、水素給湯器などへ供給し、産業分野に限らない幅広い水素利用の実現を目指しています。
カーボンニュートラル蒸気の活用
化学製品の製造工程では、加熱などに多くの蒸気を使用します。従来、この蒸気の多くは、都市ガスなどの化石燃料をボイラーで燃焼させて製造していました。
横浜工場では、横浜市資源環境局鶴見工場でごみを焼却する際に発生する蒸気を、パイプラインを通じて受け入れる実証試験を2026年4月に開始しました。化石燃料由来の蒸気の一部を、ごみ焼却時に発生する蒸気へ置き換え、製造工程におけるCO₂排出量の削減効果を検証しています。
カーボンフットプリント(CFP)算定の推進
カーボンフットプリント(CFP)は、原材料の調達から製造、使用、廃棄まで、製品のライフサイクル全体で排出される温室効果ガスの量を算定するものです。
当社は、カーボンニュートラルの実現に加え、サプライチェーン全体での排出量の把握・削減を求める顧客ニーズに対応するため、製品CFPの算定を進めています。現在はバルクケミカル製品を中心に算定結果を提供しており、今後は対象製品の拡大と算定作業の効率化を進めていきます。
エコプロダクツ認定制度の構築
当社は、事業活動を通じた環境負荷低減への貢献を重要課題の一つと位置付け、脱炭素化や生物多様性の維持などに貢献する製品を提供しています。こうした取組みをさらに推進するため、製品のライフサイクル全体を考慮して環境性能を評価する、社内エコプロダクツ認定制度の構築を進めています。一定の基準を満たす製品を環境配慮型製品として位置付け、製品開発段階から環境性能を可視化することで、環境価値の高い製品の創出につなげていきます。
気候変動の緩和に向けたマテリアリティ
※1 International Sustainability and Carbon Certificationの略。グローバルなサプライチェーンを通して管理・担保する認証制度
※2 Carbon Footprint of Productの略。製品やサービスのライフサイクル全体を通して排出されるGHGの排出量をCO2排出量に換算し、
製品に表示された数値もしくはそれを表示する仕組み。
※3 Carbon dioxide Capture,Utilization and Storageの略。工場等から排出された、二酸化炭素の回収・有効利用・貯留する取組み。