非可食性バイオマス由来のセルロースナノファイバー（CNF）は、脱炭素化社会実現に貢献する素材として注目されており、軽く、強く、しなやかな透明の素材であることから自動車部材などの高機能材料への応用が加速しています。
一方で、木材等から得られるセルロース繊維をシングルナノセルロース（毛髪の1万分の1の細さ）まで解繊する（解きほぐす）には多大なエネルギーが必要になります。このためCO₂負荷が大きくなると共に製造コストが嵩み、CNFの優れた特性を活かした実用例が少ないのが現状です。当社では高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶性を用いた独自製法^*を開発し、解繊エネルギーの低減、低コスト化を実現しました。当社独自CNFは直径がシングルナノで短繊維という特徴を持つため透明性と分散性に優れ、ゴム・塗料・接着剤などに添加することで、物性向上が期待できます。

*2023年　新化学技術推進協会（JACI）　第22回グリーン・サステイナブルケミストリー賞　奨励賞受賞