光硬化型樹脂オキセタン

商品名
アロンオキセタン®

エポキシ樹脂の高速硬化、硬化収縮抑制、プラスチック材料に対する優れた密着性等の特徴を持つカチオン硬化系エポキシ樹脂用添加剤です。

特長

アロンオキセタンの特長

1.エポキシ樹脂の高速硬化

エポキシ樹脂は一般に開始反応が速いものの成長反応が遅く、分子量数千程度のオリゴマーしか得られないため、堅くてもろい物性のものしか設計できません。一方、オキセタン樹脂は開始が遅く光照射を行ってもすぐには重合を起こしませんが、開始種が一定濃度以上になると高速に重合し、分子量数万程度のポリマーが得られます。
エポキシ樹脂とオキセタン樹脂を特性を生かして組み合わせることで、それぞれの欠点を補うことが可能です。すなわちオキセタン樹脂に開始反応の速いエポキシ樹脂を添加することで、通常、光カチオン重合で用いられる脂環式エポキシと同等もしくはそれ以上の硬化速度の実現が可能です。得られたポリマーは、エポキシ添加量の増加に伴いオキセタン樹脂単独の場合に比べ多少分子量の低下が見られますが、高分子としての充分な分子量を有することから、伸びや靭性のある硬化物の設計が可能となります。
オキセタン樹脂の配合によってエポキシ樹脂の反応性が上がるということではありませんので、高速に硬化させたい場合はオキセタン樹脂を多く配合する必要があります。

2.暗反応(後重合)

カチオン硬化型樹脂の特徴として、紫外線照射後にも重合反応は進みます。通常脂環式エポキシ樹脂が耐溶剤性を有するまで硬化するには4時間必要ですが、オキセタン樹脂は反応性が良いため後硬化は短時間になり、適当な系では紫外線照射後10分程度で十分な性能を有します。

3.少量添加による物性への影響

オキセタン樹脂を少量添加した場合にも硬化物の物性は変化します。反応性の良いオキセタン樹脂を10%~20%配合しただけで、紫外線硬化した硬化物のTgを10℃程度上げることができます。これは、少量のオキセタン樹脂の反応熱により系内温度が上がるためと考えられています。また、破断強度についても少量のオキセタン樹脂の添加により向上します。

4.密着性

オキセタン樹脂を添加することにより多くの場合、接着強度は低下します。オキセタン樹脂は反応性が良いため、開始剤由来の水酸基の発生が少ないことや、短時間に反応することから、硬化収縮によって発生する応力が界面に集中するためと考えられます。特に被着体がプラスチック材料の場合、硬化速度を落としたり、被着体と濡れ性の良い材料を配合する等の工夫が必要です。高分子量樹脂やグリシジルエーテル型エポキシ等を添加し、反応速度をコントロールしたり、加熱エージングによる内部応力の除去などが密着性を上げる方法として有効です。

5.グリシジルエーテル型エポキシ樹脂との配合

単官能、二官能オキセタンは非常に低粘度であるため、粘度の高い樹脂の配合量を増やすことができるという点で、配合処方の幅を大きく広げることができます。加えて、オキセタン樹脂は反応性が良いため、通常カチオン重合では反応性が悪くて使用できないグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂(例えばビスフェノールA型、ノボラック型)やエポキシ変性ポリマーとして販売されている樹脂(例えばエポキシ変性ブタジエン)等の材料をカチオン重合用に配合することが可能になります。接着剤やシール剤の配合には最も有効な手段のひとつです。

6.貯蔵安定性

通常、エポキシ樹脂のみで処方されている場合には、経時で多少開始剤から酸が発生しても高分子量化しないため、見かけ上、粘度が上がることはありませんが、オキセタン樹脂を配合した系では高分子量化したポリマーが生じるため、粘度が上昇します。この様な場合は開始剤をより安定性の良い物に変更するか、安定剤を添加する必要があります。

7.水分の影響

紫外線によるカチオン硬化は水分の影響を受けると言われています。配合物に水を添加しても顕著な反応阻害が起こらない場合がほとんどですが、雰囲気中の湿気による影響は大きくなります。一般にオキセタン樹脂はエポキシ樹脂より水分に敏感ですが、雰囲気の湿度管理ができる場所であれば安定して使用できます。

用途

光硬化型樹脂の用途

1.光硬化材料としての利用(アロニックス、アロンオキセタン)

光硬化型樹脂は光により開始剤からラジカル、カチオンが発生することで重合反応が進行します。この反応を利用し、さまざまな分野で幅広く使用されます。
一般に光硬化型樹脂を利用した場合、溶剤の使用量を最低限に抑えることができるため、地球環境・作業環境に優しい商品設計が可能です。この他にも次の利点があるといわれています。

①短時間での硬化が可能である
生産効率の向上、エネルギー効率の向上(省エネルギー化)、省スペース化ができさらに熱に弱い材料への利用も可能です。
②硬化の制御が容易である
光が照射された部分だけに反応が進むため、マスクなどを利用することで必要な部分だけ反応させるといった制御が可能です。

また、アロンオキセタンは単独での光硬化性はさほど速くありませんが、エポキシ樹脂と混合して光硬化させることで、硬化速度と硬化物特性を劇的に向上させることが可能です。

1-1.光硬化型インキ・塗料

光(紫外線)硬化型インキは、その速硬化性から枚葉印刷、オフ輪印刷の分野で1970年ごろより実用化されました。最近ではグラビアインキ、インクジェットインキにも展開が図られています。また、現像性を利用した各種レジストインキには必要不可欠な材料です。
光(紫外線)硬化型塗料も保護コート・ハードコートを中心に紙、木工、プラスチック、金属分野に幅広く使用され、飲料缶や光ファイバー、携帯電話といった身近な製品に活用されています。

1-2.電子線硬化型塗料

電子線により塗膜を硬化させる方法(ラジカル重合)は、光開始剤を使用しないため光を通さない材料(金属フィルムや高濃度の顔料)でも利用が可能で、密着性が向上するといった特徴があるものの設備的な制約が大きく汎用化には至っていません。

1-3.光硬化型接着剤

光硬化型接着剤は他の接着剤と同様に重合反応によって高分子を形成し、硬化して接着能力を発揮しますが、光を照射することで初めて連鎖的な重合反応が起こるという点に特色があります。ほかにも、2液混合が不要、セットタイムが自由に取れる、貯蔵安定性が優れるなどの特徴があります。近年ではDVDのような情報記録分野でも多く使用されるようになりました。

1-4.レジスト材料

エッチングレジスト、ソルダーレジストの両者に利用されています。アルカリ現像性を付与するためカルボン酸を含有した材料が利用されています。また、近年LCDのカラーフィルター用レジストへの利用が進んでいます。
新聞印刷などに用いられるフレキソ印刷用の刷版にも利用されています。

2.エポキシ樹脂の改質(アロニックス、アロンオキセタン)

2-1.光硬化型エポキシ樹脂の硬化性改良(アロンオキセタン)

アロンオキセタンの最大の特徴です。開始反応は速いものの成長が遅く、高分子量物を得ることが難しい光硬化型エポキシ樹脂と、開始反応は遅いものの開始剤から発生する開始種が一定濃度以上になると高速で重合し、伸びや靭性のある高分子量物が得られるアロンオキセタンを組み合わせることにより、高速硬化と重合物の高分子量化(耐熱性、耐塩基性などの改良)が可能となります。

仕様

アロンオキセタン製品データ表

(1) 硬化前(液状)
(2) ○印は収載を確認したもの、×印は未収載もしくは収載を確認できなかったものを示します。細心の注意を払って確認しておりますがご使用の際にはお客様でもご確認いただきますようお願い申し上げます。

  • 記載のデータは細心の注意を払って行った実験事実に基づいておりますが、実際の現場結果を保証するものではありません。

アロンオキセタンの硬化方法

アロンオキセタンの代表的な硬化方法は、酸によるカチオン開環重合反応です。

アロンオキセタンの代表的な硬化方法を下表に示します。またオキセタン樹脂単独では開始反応が遅いため、エポキシ樹脂を添加していただくことをお勧めします。

硬化手段触媒系の例
カチオン重合 加熱硬化 熱開始剤(トリアルキルスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩)を添加する。
紫外線硬化 光開始剤(トリアリールスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩)を添加する。

光硬化型樹脂の世界(東亞合成の製品化領域)

アロニックス、アロンオキセタンともに、カタログ掲載以外にも各種開発品を多数用意しております。
また、ご希望に合わせた新規製品設計・開発、溶剤による希釈、複数銘柄の混合はもとより配合品としての製品設計、製品のご提供(アロニックスUVシリーズ)についてもご相談に応じますので、弊社担当者までお気軽にご相談ください。

海外展開

東亞合成はアロニックス、アロンオキセタンを主力工場である名古屋工場で製造しています。とりわけアロニックスは、2000年には台湾に販売拠点(台湾東亞合成)を設立、2001年に製造(東昌化学)を開始しました。さらに2004年には、中国江蘇省張家港市に製造と販売を行う新会社(張家港東亞迪愛生化学)を設立し、2005年より稼動しました。需要増が予想されるアジアマーケットを見据え、アジアから世界を目指す展開を行っています。

光硬化型樹脂をお取り扱いになるときのご注意

「アロニックス」「アロンオキセタン」は業務用です。製品安全データシート(SDS)で危険性など十分ご確認の上、安全衛生対策・環境対策等に十分ご配慮願います。
ご不明な点は弊社担当者までお気軽にご相談ください。

  • アクリル系特殊モノマー・オリゴマーであるアロニックスは、皮膚、眼、粘膜と接触するとかぶれ、炎症を生じたりアレルギー反応の原因となる恐れがあります。

1.換気を十分に行ってください

一般に高沸点で揮発性が少ないため、室温で蒸気による皮膚障害はほとんどありません。しかし、加熱または紫外線硬化時に蒸気が発生することがあります。作業場所の換気を十分に行ってください。

2.適切な保護具をつけてください

  1. 皮膚につかないよう保護手袋、前掛け、保護メガネ(ゴーグル)などの保護具を着用し、素手では絶対に取り扱わないでください。
  2. 保護手袋をした場合でも、汚染された手袋で皮膚にさわらないようにしてください。
  3. 保護手袋の材質は、天然ゴム系が有効です。ビニル製は浸透する恐れがあり不適当です。

3.皮膚に付着したときは速やかに洗ってください

透明液体で付着初期は刺激を感じないため、付着には十分注意して下さい。
長時間放置すると皮膚障害の恐れがありますので、速やかに石けん水で洗浄してください。
溶剤は皮膚からの浸透を早めますので、皮膚の洗浄には使用しないでください。皮膚接触、吸入、誤飲があった場合には、自覚症状がなくても専門医の診断・治療を受けてください。

4.目に入ったときは多量の水で直ちに15分以上の洗眼をした後、眼科医の処置を受けてください。

5.吸入したときは空気の清浄な場所で安静にし、直ちに医師の診察を受けてください。

6.飲み込んだときは直ちに医師の診察を受けてください。

  • 引火性あるいは可燃性の物質です。熱、火花、裸火その他引火源に近付けないでください。
    万一の火災の際には保護具着用の上(必要に応じ呼吸保護具も着用)、風上より粉末、泡または二酸化炭素消火器を用いて消火してください。
  • 反応性の高い物質であり、光、衝撃、熱、他の物質との混合などにより重合反応が生じ、急激な発熱、容器の破損/破裂などの恐れがあります。反応性をあらかじめ確認の上、ご使用ください。
  • 容器からこぼれた場合には周辺の熱源および着火源となるものを取り除き、少量であればペーパータオルや土砂等に吸収させて空容器に回収し、その後を大量の水で洗い流してください。多量の場合は盛土で囲って流出を止め密閉容器に回収してください。なお、いずれの場合も保護具着用の上作業を行ってください。
  • 廃棄は処理業者に委託してください。

7.皮膚一次刺激性について

Huntingdon Life Sciences Ltd.(旧Huntingdon Research Center UK)の報告では、次のようにランク付けされており、P.I.I. 以下のものが、低皮膚刺激性タイプとして一般に受け入れられています。

P.I.I. 分類
0non-irritant(無)
>0 - 2mildly irritating(軽程度)
>2 - 5moderate irritant(中程度)
>5 - 6moderate to severe irritant(中.高程度)
>6severe irritant(高程度)

アロニックスおよびアロンオキセタンのP.I.I.は、グレード一覧表に記載してあります。

8.保管方法

消防法など該当する法規によって定められた諸規定に従い保管してください

  • 高温物、スパーク、裸火を避け、酸化性物質、過酸化物と同じ場所に保管しないでください。
  • 直射日光を避け、換気のよい冷暗所(30℃以下)に密閉して貯蔵してください。
  • 保管場所で使用する電気機器は防爆構造とし、機器類は接地してください。
  • 他の容器に移し替えないでください。

お気軽にお問い合せください。

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