光硬化型樹脂アロニックス®

印刷物から電子材料まで、身の回りのさまざまなものに使われています。

アロニックス®は産業の発展と環境保全を高いレベルで両立すべく、進化を続けています。製品の完全トルエンフリー化技術を確立し、人や環境に優しいものづくりを推進しています。

特長

アロニックス®の特長

アロニックス®はアクリル系モノマー・オリゴマーの商品名です。アクリル系モノマーは、ハンドリング性の改善や密着性向上に有効な単官能アクリレート、硬化性の調整や塗膜強度の改善に有効な二官能アクリレート、塗膜硬度や硬化性が高くハードコート、インキ、カラーレジスト等に幅広く用いられる多官能アクリレートを多数ラインアップしております。アクリル系オリゴマーは、さまざまなアプリケーションに応じた特性を発揮するよう設計されております。なかでもポリエステルアクリレートは、東亞合成が日本国内で初めて量産化に成功し、塗料、コーティング分野で多くの実績があります。ウレタンアクリレートやエポキシアクリレートにつきましても、カタログ掲載以外にも各種開発品を多数用意しております。また、独自の配合・評価技術を活かした「アロニックス®UVシリーズ」も開発しており、接着剤やコーティングで数多くの実績があります。配合品でお困りのときはご相談ください。

1.環境に優しい製品です(無溶剤)
溶剤規制(PRTR)への対応や職場環境(臭気、引火性)の改善のためインキや塗料は水系(エマルション系、水溶性系)や無溶剤系(粉体塗料、光硬化型樹脂)へ急速な代替が進んでいます。光硬化型樹脂の場合、完全な無溶剤化が可能となります。もちろん用途によっては有機溶剤を少量使用したハイソリッド(高固形分)系や水溶性の光硬化型樹脂といった使用法も可能です。
2.省エネルギーと生産のスピードアップが可能です
光硬化型樹脂は通常、瞬時の紫外線(UV)照射によって硬化させることができます。
これまでの溶剤系や水系の加熱乾燥型塗料や、メラミン・エポキシ・ウレタン等の架橋による硬化系で必要とされた乾燥時間が不要となります。同時に乾燥炉も不要になることから大幅な省エネルギーと生産性向上(ラインスピードのアップ)に加え、生産設備の大幅なコンパクト化も可能となります。また、熱に弱い材料への利用も可能です。
3.幅広い製品設計が可能です
樹脂分子の中に含有される反応性基数を調整したり、樹脂の種類や骨格を変えることによりいろいろな硬化物の物性を設計することが可能となります。樹脂1分子中に複数の反応性基を有する樹脂を使用すれば架橋構造の硬化物を得ることができます。この架橋構造により塗膜の硬度を向上させたり、耐熱性や耐薬品性に優れた塗膜を得ることも可能となります。一方、反応性基が一つの樹脂を配合することで架橋密度を下げて柔軟性に富んだ塗膜を得ることも可能となります。
また、光が照射された部分だけ反応が進むので、マスクなどを利用して必要な部分だけ反応させ硬化することが可能です。
用途

光硬化材料としての利用

光硬化型樹脂は光により開始剤からラジカル、カチオンが発生することで重合反応が進行します。この反応を利用し、さまざまな分野で幅広く使用されます。
一般に光硬化型樹脂を利用した場合、溶剤の使用量を最低限に抑えることができるため、地球環境・作業環境に優しい商品設計が可能です。この他にも次の利点があるといわれています。

1.短時間での硬化が可能である
生産効率の向上、エネルギー効率の向上(省エネルギー化)、省スペース化ができさらに熱に弱い材料への利用も可能です。
2.硬化の制御が容易である
光が照射された部分だけに反応が進むため、マスクなどを利用することで必要な部分だけ反応させるといった制御が可能です。

光硬化型インキ・塗料

光(紫外線)硬化型インキは、その速硬化性から枚葉印刷、オフ輪印刷の分野で1970年ごろより実用化されました。最近ではグラビアインキ、インクジェットインキにも展開が図られています。また、現像性を利用した各種レジストインキには必要不可欠な材料です。
光(紫外線)硬化型塗料も保護コート・ハードコートを中心に紙、木工、プラスチック、金属分野に幅広く使用され、飲料缶や光ファイバー、携帯電話といった身近な製品に活用されています。

電子線硬化型塗料

電子線により塗膜を硬化させる方法(ラジカル重合)は、光開始剤を使用しないため光を通さない材料(金属フィルムや高濃度の顔料)でも利用が可能で、密着性が向上するといった特徴があるものの設備的な制約が大きく汎用化には至っていません。

光硬化型接着剤

光硬化型接着剤は他の接着剤と同様に重合反応によって高分子を形成し、硬化して接着能力を発揮しますが、光を照射することで初めて連鎖的な重合反応が起こるという点に特色があります。ほかにも、2液混合が不要、セットタイムが自由に取れる、貯蔵安定性が優れるなどの特徴があります。近年ではDVDのような情報記録分野でも多く使用されるようになりました。

レジスト材料

エッチングレジスト、ソルダーレジストの両者に利用されています。アルカリ現像性を付与するためカルボン酸を含有した材料が利用されています。また、近年LCDのカラーフィルター用レジストへの利用が進んでいます。
新聞印刷などに用いられるフレキソ印刷用の刷版にも利用されています。

エポキシ樹脂の改質

アミン硬化型エポキシ樹脂の改質

アクリロイル基が硬化剤であるポリアミンと反応(ミカエル付加)することを応用し、アミン硬化型のエポキシ樹脂にアロニックス®を少量添加(通常5%程度)することで、低温硬化性やフィラーの相溶性、接着性などを改良することができます。

プラスチックの架橋、改質剤

アロニックス®のもつ高い反応性を生かして、合成ゴムや塩ビなどの各種プラスチック材料、ペースト、エマルションに添加することで架橋による物性改良(硬度、強度、耐熱性、耐候性、耐薬品性など)や接着性を改良することが可能です。また、特殊機能の付与として、変性シリコーン系およびポリウレタン系シーラントに少量(通常5%以下)添加することで、表面乾燥性の付与、耐候性の改良などが可能になります。

仕様

アロニックス®製品データ表

印刷用PDF

  • 記載のデータは細心の注意を払って行った実験事実に基づいておりますが、実際の現場結果を保証するものではありません。
    • (1)硬化前(液状)
    • (2)○印は収載を確認したもの、×印は未収載もしくは収載を確認できなかったものを示します。

※印は営業にお問い合せください。
細心の注意を払って確認しておりますがご使用の際にはお客様でもご確認いただきますようお願い申し上げます。

アロニックス®の硬化方法

アロニックス®の硬化方法は、アクリル系不飽和結合のラジカル重合反応によるもの(〔1〕で示す)と、アクリル系不飽和結合への活性水素(たとえば活性アミン水素)の付加反応によるもの(〔2〕で示す)とに大別できます。

アロニックス®の代表的硬化方法を下表に示します。

硬化手段 触媒系の例
ラジカル重合 加熱硬化
熱オーブン、遠赤外線、マイクロ波
触媒(ラジカル発生源)としてベンゾイルパーオキサド、ジクミルパーオキサイドなどを添加する。
レドックス系常温硬化 ベンゾイルパーオキサイド/ジメチルアニリン、クメンハイドロパーオキサイド/バナジウム系促進剤などを添加する。
嫌気硬化 ハイドロパーオキサイド/第三アミン/スルフイミドなどを添加する。
紫外線硬化 光開始剤(ベンゾイルアルキルエーテル、ベンゾフェノン、アセトフェノンなど)を添加する。
電子線硬化 (触媒は添加しない)
ミカエル付加 常温、加熱硬化 第一級または第二級のアミノ基を有するポリアミンを添加する。

「アロニックス®」「アロンオキセタン®」は業務用です。製品安全データシート(SDS)で危険性など十分ご確認の上、安全衛生対策・環境対策等に十分ご配慮願います。
ご不明な点は弊社担当者までお気軽にご相談ください。

アクリル系特殊モノマー・オリゴマーであるアロニックス®は、皮膚、眼、粘膜と接触するとかぶれ、炎症を生じたりアレルギー反応の原因となる恐れがあります。

  1. 換気を十分に行ってください

    一般に高沸点で揮発性が少ないため、室温で蒸気による皮膚障害はほとんどありません。しかし、加熱または紫外線硬化時に蒸気が発生することがあります。作業場所の換気を十分に行ってください。

  2. 適切な保護具をつけてください
    1. 皮膚につかないよう保護手袋、前掛け、保護メガネ(ゴーグル)などの保護具を着用し、素手では絶対に取り扱わないでください。
    2. 保護手袋をした場合でも、汚染された手袋で皮膚にさわらないようにしてください。
    3. 保護手袋の材質は、天然ゴム系が有効です。ビニル製は浸透する恐れがあり不適当です。

  3. 皮膚に付着したときは速やかに洗ってください

    透明液体で付着初期は刺激を感じないため、付着には十分注意して下さい。
    長時間放置すると皮膚障害の恐れがありますので、速やかに石けん水で洗浄してください。
    溶剤は皮膚からの浸透を早めますので、皮膚の洗浄には使用しないでください。皮膚接触、吸入、誤飲があった場合には、自覚症状がなくても専門医の診断・治療を受けてください。

  4. 目に入ったときは多量の水で直ちに15分以上の洗眼をした後、眼科医の処置を受けてください。
  5. 吸入したときは空気の清浄な場所で安静にし、直ちに医師の診察を受けてください。
  6. 飲み込んだときは直ちに医師の診察を受けてください。
    • 引火性あるいは可燃性の物質です。熱、火花、裸火その他引火源に近付けないでください。
      万一の火災の際には保護具着用の上(必要に応じ呼吸保護具も着用)、風上より粉末、泡または二酸化炭素消火器を用いて消火してください。
    • 反応性の高い物質であり、光、衝撃、熱、他の物質との混合などにより重合反応が生じ、急激な発熱、容器の破損/破裂などの恐れがあります。反応性をあらかじめ確認の上、ご使用ください。
    • 容器からこぼれた場合には周辺の熱源および着火源となるものを取り除き、少量であればペーパータオルや土砂等に吸収させて空容器に回収し、その後を大量の水で洗い流してください。多量の場合は盛土で囲って流出を止め密閉容器に回収してください。なお、いずれの場合も保護具着用の上作業を行ってください。
    • 廃棄は処理業者に委託してください。

皮膚一次刺激性について

Huntingdon Life Sciences Ltd.(旧Huntingdon Research Center UK)の報告では、次のようにランク付けされており、P.I.I. 以下のものが、低皮膚刺激性タイプとして一般に受け入れられています。

P.I.I. 分類
0 non-irritant(無)
> 0 - 2 mildly irritating(軽程度)
> 2 - 5 moderate irritant(中程度)
> 5 - 6 moderate to severe irritant(中.高程度)
> 6 severe irritant(高程度)

アロニックス®およびアロンオキセタン®のP.I.I.は、グレード一覧表に記載してあります。

保管方法

消防法など該当する法規によって定められた諸規定に従い保管してください

  • 高温物、スパーク、裸火を避け、酸化性物質、過酸化物と同じ場所に保管しないでください。
  • 直射日光を避け、換気のよい冷暗所(30℃以下)に密閉して貯蔵してください。
  • 保管場所で使用する電気機器は防爆構造とし、機器類は接地してください。
  • 他の容器に移し替えないでください。

光硬化型樹脂の世界(東亞合成の製品化領域)

アロニックス®、アロンオキセタン®ともに、カタログ掲載以外にも各種開発品を多数用意しております。
また、ご希望に合わせた新規製品設計・開発、溶剤による希釈、複数銘柄の混合はもとより配合品としての製品設計、製品のご提供(アロニックス®UVシリーズ)についてもご相談に応じますので、弊社担当者までお気軽にご相談ください。

海外展開

東亞合成はアロニックス®、アロンオキセタン®を主力工場である名古屋工場で製造して います。とりわけアロニックス®は、2000年には台湾に販売拠点(台湾東亞合成)を設立、2001年に製造(東昌化学)を開始しました。さらに2004年には、中国江蘇省張家港市に 製造と販売を行う新会社(張家港東亞迪愛生化学)を設立し、2005年より稼動しました。需要増が予想されるアジアマーケットを見据え、アジアから世界を目指す展開を行っています。

東亞合成名古屋工場 TOAGOSEI Co., Ltd. Nagoya Plant 台湾東亞合成股份有限公司 TAIWAN TOAGOSEI Co., Ltd. 東昌科学股份有限公司 TOA-JET CHEMICAL Co., Ltd. 張家港東亞迪愛生化学有限公司 TOA-DIC Zhangjiagang Chemical Co., Ltd. 東亞合成(珠海)有限公司 TOAGOSEI(Zhuhai) Ltd.
TOAGOSEI AMERICA Inc.(OHIO) ELMER'S & TOAGOSEI TOAGOSEI SINGAPORE PTE LTD.(SINGAPORE)

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