2001年4月2日

2001年 入社式 社長挨拶

皆さん 入社おめでとうございます。
東亞合成への入社を心から歓迎します。

本日、東亞合成は7名の若い精鋭を迎えることになりました。つい3年前まで、50名を越える新入社員を迎えてきたことを思えば、その人数の少なさを寂しくも思います。しかし、昨今の世の中の採用状況を考えますと、この度、皆さんがくぐられてきた門は大変狭いものだったはずです。皆さんが如何に優秀であり、まさに少数精鋭であるかということに、むしろ明るい将来を感じ、心強く、また、嬉しく思っています。

今日の日本経済が、過去に例を見ない大変革期にあることは皆さんもよくご存知のとおりです。失われた10年とも言われる時期を経て、昨年こそ緩やかな自立的回復を見せ始めた景気でしたが、先月中旬には「月例 経済報告 関係閣僚会議」において、日本経済の現状は「緩やかなデフレ」にあるとの見解が示されました。
日銀が量的緩和を決定するなど、金融面での下支え効果が期待される一方で、米国経済の減速を受けて、依然、個人消費、民間設備投資、株価、もろもろの先行きが不透明なままです。このような環境下、企業には、景気頼みでない、本気の構造改革が求められていますが、今年57周年を迎える当社もその例外ではありません。
私は2年前に社長に選任されました。その後、東亞合成およびオール東亞が永続的に発展するため、そして21世紀の大競争時代を勝ち抜いていくためには、企業変革を大胆に進め、体質改善して行くことが必要であるという思いを強めました。そして昨年来、当社の経営陣以下に、こうした思いをメッセージとして伝えて来ました。
これらのメッセージにも通じることで、本日、皆さんにもお願いしたいことが2つあります。是非心にとどめておいて下さい。

1つ目は「前向きな姿勢で、『変える』という意識を持ち続け、行動する」ということです。

当社が昨年来進めている企業変革は、単に、組織を変えたり、経営機構を再構築するといったことに留まりません。個々人に対しても、価値観、尺度、思考姿勢の変革を求めるものであり、当社の企業文化を、継続的に改革を進めて発展を遂げようとする体質に変えていくことを目的としています。そうした意味で、皆さんは過去の慣習などにとらわれることなく、常に新しい視点で、客観的に物事を見る癖をつけて下さい。「不和雷同する」「寄らば大樹の蔭」「長いものには巻かれろ」といった考えは、今、この場で捨てて下さい。

2つ目は「自己研鑚を怠らない」ということです。
「これはおかしい」と気付くためには、気付くことが出来るだけの知識、感受性を持たなければなりません。「このことを変えよう」と行動するためには、自分の考えを周囲に理解、納得してもらわなければなりません。創意、工夫も必要です。自分から限界を置くことをせず、より高次なレベルを求めて下さい。そうした皆さんのパワーが結実することによって、東亞合成という企業が、この21世紀、ますます発展していけるものと私は信じています。同時に、こうした自己研鑽は、必ずや皆さん自身のためになるはずです。

当社には、1994年に制定した企業理念があります。「化学事業を通じて、より多くの人々と、より多くの幸福を分かち合う」というものです。新世紀開始の年に入社される皆さんが、これからの東亞合成の担い手となり、この企業理念を具現化されることを切に希望します。

最後に、社会人としての第一歩を踏み出された皆さんですが、健康の自己管理は社会人としての常識です。研修も始まり、忙しい毎日になると思いますが、健康に留意し頑張って下さい。皆さんの今後の活躍を期待しています。

以上