東亞合成研究年報4号

2001年1月1日発行

総説

血管新生阻害剤の臨床開発

論文

Oxetanes:Curing Properties in Photo-Cationic Polymerization

四員環の環状エーテルであるオキセタンは光カチオン重合においてエポキサイドとは異なる重合特性を示す事が明らかになっている。本報告においては、重合性官能基としてオキセタニル基を有するモノマーを用いて、フォト-DSCを用いた光カチオン重合挙動の評価および市販の脂環式エポキシであるUVR-6110(ユニオン・カーバイド社製)との配合物の特性評価を行い、オキセタン系材料の光硬化型材料への応用を検討した。

フォト-DSCによる重合時の発熱量の測定から、オキセタン環の2位にp-メトキシフェニル基を導入したMPOは単独重合のみならず、無置換のオキセタンモノマーであるPOXとの共重合においても重合を促進する事が明らかになった。

工業化が予定されている5種類のモノマーは、一般的な脂環式エポキシであるUVR-6110(ユニオン・カーバイド社製)との相溶性は良好であり、比較的分子量が低いにもかかわらず変異原性試験が陰性であった。また、側鎖に2-エチルヘキシル基を有するEHOXは希釈性および表面張力低下能に優れていた。

UVR-6110との配合により光硬化型材料への応用の検討を行い、単官能オキセタン化合物の添加により配合物の粘度を大きく低減する事ができる事、二官能オキセタン化合物の配合により脂環式エポキシモノマー単独の場合と比較して光照射後の耐溶剤性が大きく向上できる事が明らかになった。

One-step Synthesis of Ester from Alkene

Pdとシリコタングステン酸を担持したシリカを触媒として、エチレン、酸素、水を原料とした酢酸エチルの一段合成を試みた。この触媒は、Pdの酸化活性とシリコタングステン酸の強酸性との複合活性により、それぞれエチレンの酸化及び水和、そしてエステル化反応に必要な機能を併せ持っている。反応温度180℃でエチレンの転換率が25%ととなり、その時の酢酸エチルの選択率は46%以上であった。同時に酢酸とエタノールが合わせて34%の選択率で得られ、これらをリサイクルすれば、更なる高収率が期待される。また、プロピレン、酸素、水を原料とした反応から、アクリル酸イソプロピルの生成が確認された。

トリエトキシシラン(TRIES)のCVDへの応用

現在半導体ではSiO2絶縁膜材料としてテトラエトキシシラン(TEOS)が広く用いられている。しかし、基板の大面積化、高集積化に対し、スループットを上げるため、また下地へのダメージを避けるため、より高速成膜化、低温成膜化が可能な材料が求められている。トリエトキシシラン(TRIES)はSiH4のように反応性の大きいSi-H結合を有することから、TEOSに比べて高速成膜、低温成膜性に優れた材料であると考えられる。そこでTEOSの代替材料として、半導体で多く用いられている常圧O3CVD、プラズマCVDの2種類の成膜方法への適用を検討した。

その結果、常圧O3CVD法では、TRIESを用いた場合、成膜開始温度がTEOSを用いた場合に比べて、約50℃低い低温成膜が可能で、また、各成膜温度において成膜速度も速いことがわかった。

一方、プラズマCVD法においても、TRIESを用いた場合、TEOSを用いた場合に比べて各成膜温度で成膜速度が速いことがわかった。さらに膜構造において膜中水分が少ないことから膜質が良いこともわかった。このことは、TRIESの反応性が大きいことから、同条件下での成膜ではより緻密な膜が得られたことによると考えられる。

これらのことから反応性の大きいTRIESをCVDに用いることにより、低温成膜、高速成膜を可能にし、さらに膜質の良い絶縁膜を得ることが可能であることを示した。

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